姿勢と予防について
もちろん歯医者ですから、虫歯や歯周病の治療も行います。しかし、どうして虫歯になるのか、どうして歯周病になってしまったのか…ということを考えていくと、口の中にいるバイ菌だけをターゲットにしたままの医療では、どうしてもうまく行かないことがあるのです。
当クリニックでは、「身体のバランスを整えることで、虫歯や歯周病の原因を取り除く」方法を、治療や予防に応用しています。
姿勢の改善が口内の予防へ
身体の姿勢が悪いと、噛み合わせやリンパの流れ、血流が悪くなり、バイ菌に対抗する力(免疫力)が落ちてしまいます。
また、姿勢のねじれは噛み合わせにも影響します。噛み合わせが悪くて強く当たる部分の歯に”ひび”が入り、そこから虫歯になったり、歯が欠けたり割れたりするために、歯を抜かなければいけなくなるケースもあります。さらに、噛み合わせによって上下の歯が当たる感覚は脳へも届くので、当たる力が強すぎても弱すぎても悪影響となり、自律神経失調症や痴ほう症などが誘発されることもあります。
肩こりと歯の関係
肩こりと歯は、一見、関係なさそうに思われますが、とても密接な関係にあります。例えば、肩こりや首のこりなどがひどい場合、奥歯が当たり過ぎている可能性があります。
時々、虫歯でも歯周病でもないのに、「歯が痛くて…」と来院される方がいらっしゃいます。このような時、噛み合わせを改善させる治療として、立ち方や座り方などの姿勢の改善を行います。
すると、痛くて噛めなかった歯から、その場ですっかり痛みが取れることがよくあるのです。それと同時に、肩や首のコリや張りなども快方に向かいます。
背骨にかかる負担やひずみが原因
人間が「立つ」ためには、いくつもの脊椎が積み重ねられた形状の背骨を、まるで”だるま落とし”のように、いろいろな方向にねじることでバランスを取っています。そのため、後ろ重心といわれる猫背や腰が曲がったように見える状況の時には、奥歯が当たったり首や肩がこるという現象になるのです。
ですから、身体全体のバランスを取ると、過度な歯の当たりがなくなり、首や肩も楽になります。
奥歯に虫歯が多かったり、歯を失うケースが多いのは、磨きにくいことに加えて後ろ重心という身体の状態も影響しています。そこで当クリニックでは、歯を残す、健康な状態を作り出すという意図から、姿勢の改善を治療や予防のひとつとして行っています。
姿勢改善の方法
姿勢に問題があると考えられる患者さんには、「ストレッチ板」という斜めに傾いた板の上に乗っていただき、簡単なストレッチを行います。これまでには、ストレッチ板の上に乗っただけで歯の痛みが消えてしまったという患者さんもいらっしゃいました。
症状がひどい方の場合は横になっていただき、足裏マッサージや整体などを行うこともあります。もちろん、当クリニックの歯科衛生士も歯科助手も姿勢改善の施術を熟知しております。
ご自宅で行える簡単なストレッチ法や、姿勢を改善するためのノウハウもアドバイスいたします。姿勢の改善は毎日の積み重ねです。医院だけでなく、ご自宅でもぜひ引き続き取り組んでいただければと思います。