小児矯正 PEDIATRIC CORRECTION

小児矯正について

昔の子どもに歯並びの問題が少なく、現代の子どもに問題が多いのは、運動量の少なさから生じる身体バランスの不和が原因であると考えられます。「うちの子はサッカーをやっているから大丈夫でしょ?」というご質問を受けることがありますが、その子どもの歯並びには歪みが生じていることがほとんどです。現代の子どもは運動不足によって、姿勢のバランスが上手にとることが出来ず、その影響が歯並びの歪みとなって表れます。

できるだけ歯を抜かない
矯正治療

キレイな歯並びにするためであっても、健康な歯を抜くことには誰でも抵抗があるはずです。そのことが理由で、矯正治療に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。そこで当クリニックでは、できるだけ歯を抜かない矯正治療を心がけています。
また、身体バランスの歪みが口の中において歯並びという形で表れるという見地に立って、身体全体のバランスからも小児矯正にアプローチしています。

正しい姿勢から正しい歯並びに繋げる

歯並びの歪みは5歳の頃から顕著になってきます。当然、矯正時期は早いに越したことはないのですが、ただ歯並びだけをきれいに矯正しても根本的な解決にはなりません。身体のバランスに則った矯正が必要なのです。
では、身体のバランスを無視して矯正してしまうとどうなるか?最悪の場合、20歳前後にして立つことができず寝たきりの生活を余儀なくされてしまう場合もあります。これはかなり重症な例ですが、いかに身体のバランスと調和した歯並びが大切が分かります。
このようなことから、当クリニックでは小児矯正において床矯正などの装置も使用しますが、それだけでなく、身体のバランスを改善する「正しい姿勢」を身につけるフローを治療の一環に取り入れています。

非抜歯の矯正治療を推奨

当クリニックはできる限り非抜歯にて矯正治療に臨んでおります。そのため、通常の歯の矯正治療と併せて姿勢や生活習慣など総合的なアプローチを行います。
しかし、成長期の方たちの場合、「きれいになる」を取るか、「噛むことの重要性」を取るかという判断していただき、前者を選んだ場合は、本格的な抜歯矯正をする歯科医院を紹介させていただくこともございます。

非抜歯矯正のメリット

  • 健康な歯を抜かずに済む

  • 長期に渡り噛み合わせの安定

  • 28本の歯で食べ物を咀嚼

抜歯が不要な患者さんへ抜歯矯正を勧めることはありません

綿密な治療技計画立て、技術を駆使し、健康な歯を残したまま矯正治療を進めていきます。できるだけ身体に負担をかけたくない気持ちは、患者さん同様私たち歯科医師も同じです。その考えから、歯を抜くことを前提とした矯正治療はなるべく回避しています。とはいえ、お口の状態によっては歯を抜いた方がいいと診断するケースもあります。
「患者さんが何を望んで矯正治療をしようとしているのか」「矯正の結果、どんなふうになりたいと思ってるのか」…そういった意図を汲み取って一緒に考えることで、患者さんにご納得いただいてから治療に移行することができるように心がけています。

歯並びの悪化を防ぐために
できること

生後3ヶ月~1歳6ヶ月

身体のバランスがしっかりととれた正しい姿勢を身につけるために、生後間もない頃からのケアが理想的です。例えば生後3ヶ月以内の赤ちゃんですと、首が座っておらず、寝かせ方や授乳の仕方が大きく身体のバランスに影響を与えます。
ちなみに寝返りをさせないでいると、布団に接している顔側の歯がぺったんこになってしまいます。このようなことを防ぐためにドーナツ型の枕を使用するのもおすすめです。この時期からケアしていけば、将来的に矯正治療をする可能性がたいへん低くなります。できる限り、矯正治療をせず予防することを当クリニックではおすすめします。

1歳6ヶ月~6歳前後(6歳臼歯が生えるまで)

生後1歳半くらいになると、だんだんと歯が生えてきます。この時期になると、座って自分で食事できるようになるので、座り方が重要になってきます。
この時に気をつけていただきたいのは、お子さまの足がブランブランとなっていないこと。足が地に着いていないと、噛む時に力が入りません。しっかりと噛むことでアゴが成長するので、ここで成長が阻害されてしまうと、アゴが発達せず将来、矯正が必要になってしまいます。
その他で気をつけていただきたいのは、左右の歯を均等に使って噛むことや立ち方や靴の選び方などが上げられます。生活習慣ひとつひとつを改善していくことが予防にとって大切だと当クリニックは考えます。

心臓に負担をかけない呼吸をする

夜寝ているときのお子様がいびきをかいたり、歯ぎしりをしていたりする傾向がある場合、それは気道が狭くなっていて呼吸がしづらい状況になっているサインかもしれません。
歯並びが悪い方のほとんどが、気道が狭くなっています。あごの骨が成長しきれず、気道が狭くなっていることで「夜眠りが浅い」「脳の発育に悪影響がある」「昼間集中できない(イライラする)」「 学力が低下する」「運動能力が低下する」などの状態がみられ、歯並びの悪化にも繋がります。
あごの骨をしっかり発達させ、口呼吸ではなく鼻呼吸を行う習慣を身につけましょう。

正しい姿勢を身につける
ポイント

生活習慣からも、きれいな歯並びへのアプローチが可能です。ここでは正しい姿勢を身につけるためのポイントを紹介します。是非試してください。より詳しいお話は当クリニックにてお尋ねください。

  1. Point01

    タオルや座布団をひいて、
    少し前に身体を傾けるように座る

    イスに座る際にタオルや座布団をひいて、少し前に身体を傾けるように座ります。身体を少し前に傾斜させて座ることで、骨盤が立つかたちとなり、立ち上がる際に身体に余計な負荷をかけなくなります。負荷をかけ過ぎた身体はバランスを崩し歪んでしまい、その影響が歯並びとしても表れる可能性が高いので、是非試してください。

  2. Point02

    内転筋をはじめとする
    インナーマッスルを鍛える

    内転筋を鍛えることによって、体幹が養われます。体幹は身体のバランスを保つために必要不可欠なものです。内転筋を鍛えるには、ひざとももの間にクッションを挟むなどのトレーニングがおすすめです。内転筋を鍛えることで、お子さまのサッカーやバレエなどの運動能力の向上も期待できます。

  3. Point03

    腹式呼吸を身につける

    腹式呼吸を身に付けることで、免疫力の向上が望めます。あまり馴染みがないかもしれませんが、座禅は交感神経と副交感神経の療法の活性化につながるのでおすすめです。

  4. Point01

    食生活の改善

    現代の食べ物は柔らかいものが多く、しっかりと噛む回数が少なくなりがちです。しかし、少し食材を大きめに切って噛むことで、前歯で噛み切り、奥歯で咀しゃくするということができ、しっかりと噛んだ食事が可能となります。

矯正治療の流れ

  1. Flow01

    カウンセリング

    お口の中を診察してからカウンセリングを始めます。また、気になっていることやご希望なども伺いますので遠慮なくご相談ください。

  2. Flow02

    精密検査

    歯や頭部のレントゲンやCT写真を撮り、噛み合わせや歯の型取り、歯根の状態のチェックや歯周ポケットの測定、カリエスチェックなど必要な検査を行います。

  3. Flow03

    診断・治療計画の説明

    治療方法、治療期間、治療にかかる費用を詳しく説明し、あらゆる面で納得して治療を受けていただけるよう、充分に話し合った後、決定いたします。

  4. Flow04

    治療前処置

    精密検査により見つかった虫歯、歯周病などを先に治療し、口腔内を清潔にしてから矯正治療に入ります。

  5. Flow05

    矯正治療開始・
    定期通院

    治療開始後は、内容に合わせて定期的に通院を行い、歯の状態のチェックや装置の調整を行います。

  6. Flow06

    保定・メインテナンス

    歯並びが整ったら、装置を外します。ただし、歯を支えている歯槽骨や歯周組織は安定していないため、後戻りを防ぐためリテーナーをご使用いただき、経過観察を行います。

小児矯正治療メニュー

取り外しも可能な床矯正

取り外しができるプレート(床)により、歯の移動と、アゴの骨の拡大を行う矯正治療です。取り外しが簡単にでき、食事中は外せます。
この装置では、歯を正しい位置に動かすとともに、歯の土台そのものを正しい大きさに拡大します。装置はスクリューが装着されていて、ネジを回転してスクリューを拡げて歯並びの幅を広げたり歯を動かしたりします。
10歳を過ぎると自分の意志で取り外しができますが、10歳にならないお子さまの場合、親御さんのサポートが必須となりますので、しっかりと矯正器具をはめているかのチェックやネジを回したり、器具の清掃をしたりなどのサポートをしてください。

床矯正の注意点

床矯正が有効なのは成長期までなので、それまでに床矯正は終わらせなければなりません。男女によって成長に差異がありますので、床矯正を利用される際はご考慮ください。目安としては男性の場合は18歳頃まで、女性の場合は12歳~13歳頃まで。
また、中学生くらいになると大人の歯に生え変わっていることも多々あり、そのような場合は成人矯正と同様にワイヤー矯正を使用します。
(当治療は公的医療保険が適用されない自由診療です。)

機能矯正装置

床矯正は歯を動かすことを目的としますが、機能矯正装置ではその土台の骨が育つように促していきます。噛む力や舌の力、頬粘膜、口唇の力などを矯正力として使うのが特徴で、器具を使用するだけでお口の機能を高めるトレーニングができ、自然とあごの骨が成長し、歯並びも整っていきます。
レントゲンを撮って分析することで客観的に診断することができ、あと何ミリ拡大が必要とか、頭に対してあごの骨のバランスが取れているのかどうかなどを診ることができます。
普通のワイヤー矯正や床矯正では、歯しか動かせません。分析してあごの大きさも変えたいときには、機能矯正装置を用いてあごを成長させ、同時に歯並びも整えていきます。

機能矯正装置の注意点

  • 症例によっては適応ができませんので、しっかりカウンセリングにて症状を伺ってご提案いたします。
  • 推奨される装着時間を守らなければ効果を得られにくいです。
  • 直接歯にアプローチする治療ではないため、自在に歯を動かすことはできません。
  • 当治療は公的医療保険が適用されない自由診療です。

小児矯正治療のゴールについて

「こうなければならない」というゴールは、ありません。ご家庭によって、また、保護者の方とお子様自身それぞれの考えによって、思い描くゴールは異なります。当クリニックでは、丁寧にご希望を伺います。そして、まずは噛み合わせを整えて、成長とともに骨や機能の成長を促す『機能矯正』を中心に行います。その上で、最終的に『抜歯矯正』を行うか、必要であれば病院と連携して他の矯正方法に移行するか、一緒に検討しています。

お子様の矯正治療に悩む
保護者の方へ

「いつから相談すればいいですか」というご質問を、よくいただきます。当クリニックの答えは「気が付いたときから、すぐに」です。生後まだ間もない時期でも、大丈夫です。どこにゴールをおくか、どんな方法があるか、事例もご紹介しながらご相談に応えます。
また、「予算が気になる」という声もいただきます。その点は、必ずしも矯正装置でなくてもトレーニングの方法は色々とあって効果も期待できますので、ご心配はいりません。

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